古書店街の橋姫 感想

「古書店街の橋姫」ポップオカルトな大正ミステリー(有料同人・18禁BL)

<あらすじ>大正十一年六月 梅雨の神保。2年前に幼馴染たちと帝大に上京した主人公・玉森。
二人の幼馴染は帝大生として生活しているが、浪人2年目森は勉強もろくにせずに、怪奇幻想小説を書くことに夢中になり、店主に拾われた古書店の店員としてだらしない生活を送っていた。ところがある日、幼馴染の一人が死んだ。
混乱する中、街には自分の書いた小説に出てくる怪人にそっくりな人間の噂が流れていた。そして、玉森はその怪人に追いかけられた弾みに水たまりに足を取られて3日前の世界へと戻っていた。繰り返される死。繰り返されるループ。現実と妄想が交じり合う怪奇幻想の物語。


2016年発売に面白い! と、とっても話題になっていた橋姫。やっとプレイできました。めちゃくちゃ面白かったです。
攻略対象は5人(4人+1人が正確かな)で主人公受です。

ループもの×大正時代×怪奇幻想小説
ってずるいですよね。そりゃあ舞台設定から面白いですよ。ここでループっものを、ガチSFだったり、和風伝奇ファンタジーと掛け算したら王道ですが、あえてうさんくさい空想科学や怪人が蔓延る幻想怪奇な大正時代を掛け合わせてモダン世界にしたセンスがGJ!

おまけに主人公に妄想癖があって、現実と空想がよくごっちゃになってしまう設定と重要なファクターとして「ドグラ・マグラ」(夢野久作)が出てくるあたりで、こいつは「奇書」として読むべきだな! 察します。実際に公式で「奇書と幻覚のBLG」ってありますから。

そんな胡散臭い物語ですが、世界観、シナリオ、文体共にとっても良かった。
OPとEDもついて、フルボイスのネット声優さんもつけてて(メインとか特にキャラに合ってよかったですね。川瀬と蛙男が特に好き)、CGボリュームも十分あるし、総プレイ時間もそこそこかかる。
納得の世間の評価。確かに商業で売っても良いクオリティーでした。

唯一、難点を言うと「構成」は変えてもよかったと思います。
まず1週目は強制的に「水上ルート」(ループを繰り返す切っ掛けになる死んでしまう幼馴染)なんですが、そのあと「川瀬」→「花澤」→「博士」→「???」と固定なんですね。周回すると選択肢が出るシステム。
これがなぁ。「水上ルート」はどう考えても1週目である必要があるんですが、あとは別に固定でなくてよかったと思います。この構成だと「???」が真相ルートだと誤解されちゃうので。あと、公式の解釈見てると各ルートでもED分岐してもよかったと思います。
せめて水上ルートだけでも複数欲しい。水上ってポジションとして正ヒロインなんですよね。水上ルートは物語の根源としてもっと特別扱いしてよかったと思います。

ネタバレなしでざっくり各ルート感想。

<水上ルート>
ループ繰り返しては死んでしまう幼馴染。謎が謎を呼び、少しずつ隠された真相や思惑が明かされていき、設定のジェットコースターだった。実は、気が付いたら終わっていた感が強い。だから水上ルートは第二エンドあるかなーって期待してたらなかったんですよね。物語自体は、ドキドキワクワクできてとっても面白かったですが、序章のイメージついてしまうんだなぁ。

<川瀬ルート>
水上が、物語>恋愛なルートだったので、川瀬ルートのテーマが「愛」だったことに顎を外れんばかりに驚いた。皮肉屋で潔癖症で性格の悪い川瀬。愛は分かるのに愛を知らない川瀬と、愛を知っているのに愛が何か分からない玉森による「愛」の物語。という、めちゃくちゃ文学的でロマンチックなルートなので本当にこのキャラにこのテーマあてがった作者はセンスありすぎる。
いろいろ言うとネタバレになりますが、私は川瀬がめちゃくちゃ愛しいし幸せになってほしい。この人はかわいそうだし。とってもかわいい人だと思う。本当に、すっごく丁寧に玉森と川瀬が相手にどう「愛」を傾けていったか書いてて、このルート大好きなんです。

<花澤ルート>
なんで花澤ルートこんな雑に書いたんですか? って聞きたいぐらいあんまり中身ないルート。
もっと掘り下げることができたと思うけどなぁ。
寡黙で真面目厳格な軍人・花澤。設定や他ルート後日談の素の彼を見ると可愛い人なんですが、いかんせん超絶不器用でどうしようもない阿呆で、いろいろやらかす。うーむ。
このルート読んで利点があるといえば、酔った川瀬が見れることと、博士の好感度がぐっと上がることぐらいですかね。

<博士ルート>
玉森の勤めてる書店の常連客。かなりの変人。玉森の小説のファン。
花澤ルートで好感度上げといて博士ルートに行くのは、良い判断だったと思います。私、花澤ルートまであんまりこの人好きじゃなかったし。で、博士ルートなんですがこれがめちゃくちゃ面白い! 一番好きなのは川瀬ルート。一番面白かった(こういうシナリオ内容が)のは博士ルートなんです。博士は上3人と違い主人公の幼馴染ではないキャラ。この人のルートどうなるかなと思っていたら、こうきたか!! という内容でした。ルートを終えると、博士と水上のかなりの相似性に気づきます。まさに水上が正ヒロインであり、そしてここまで相似していながら本流とまったくかけ離れた裏ルートへ進んだ博士こそこの物語の裏ヒロインだとわかるのです。なんというか、一番うらやましい目にあってるのってもしかして博士なのかもしれない。

<???>
どちらかというと世間的にBADエンドに思われそうな。ゲームの趣旨としては、こういうエンドあるのは必然。ただ、これを真相ルートと誤解しちゃう構成はちょっとなーと(HPに解説あり)思いました。

「玉森とその他キャラについて」
主人公の玉森は、すっごく共感できるキャラとして描いていましたね。
凡人で、小市民的な常識と、自己愛とプライドをもって生きている。そして、色んな意味で莫迦である。あと、オムレツライスとカルスピをこよなく愛している。
子供のころから現実世界に空想を見てしまい、変人扱いされながら自分の怪奇幻想的な妄想を小説に書いていた。
うさんくさい善良要素は一切なくて、ありふれた妄想世界で楽しく生きて強がっているただの凡人である。
それが、ループを繰り返すうちに隠された多くの真実を知り、ただいつも通りの日常に戻りたいと逃避していただけの玉森が本当に欲しいものは何かを気づき、自分の確固たる意志で行動するようになるのが古書店街の橋姫の物語なのです。
玉森は等身大のありふれた人物感がとっても良かった。殺人鬼に会えば斬られた友人を見捨てて恐怖ですぐ逃げ出してしまう。
そして、家庭環境から愛とは欲望としか解釈できない、人を恋愛感情で好きになる気持ちが分からない人。
それが、ループ世界の中で成長してそれぞれのルートで自分の全力で攻略対象を救ってあげたい、幸せにしてあげたいと思うようになるので、そりゃあたいがいのプレイヤーは好きになれると思います。攻略系の主人公の鑑だね。
あと、博士ルートの玉森がガチのツンデレで襲い受けなので、ツボな人はツボだと思う。私は、結構ツボです。
博士ルートの玉森ってちょっと川瀬っぽくて皮肉だよね(※川瀬は博士が死ぬほど嫌い)

他のキャラについてですが、サブキャラだと砂山、蛙男、久治くんが好きですかね。
砂山さんはあるルートのあれで主人公が「好みだ」と言って、「そんな気がした……」ってなったな。砂山さんまじ聖母。
蛙男は声が可愛い!
久治くんは、だんだん玉森と仲良くなってく感じとか水上ルートの彼とか川瀬ルートの彼とか好きになるよ。特に川瀬ルートめちゃくちゃ良い仕事してくれた。

そんな感じで、副読本読んだら付け足すかもしれません。めちゃくちゃ面白かったので、

<以下、とりとめもないネタバレ感想(主に川瀬)>
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「ENIGMA: 」

やや女性向けの有料同人ファンタージーADV「ENIGMA: 」(渦女屋本舗)
<あらすじ>近年世界中に蔓延している「エニグマ」という病。治療法はなく、必ず命を奪う病に侵された主人公「チェスター」は、海で遭難してある島にたどり着く。地図にも存在しない閉鎖された島には「エニグマ」と呼ばれる森があることを知る。

久しぶりに同人ゲームやりたくなってレビューも再開しました。ダウンロード販売で1,000円でソフトだと2,000円。
DLで買いました。こちらのゲーム、ルートがあるのが男性キャラと無性別キャラなんですが、実質女性キャラEDと言っていいものもあるので、男性でも楽しいと思います。未亡人の巨乳美人とイイコトできて、ロリBBAとデートできて、エロゲヒロインはれそうなポンテンシャル持ったかわいい女の子にベタ惚れされてるので、男性向けゲーム気分も味わえて男性向けと女性向け両方好きな私は楽しすぎました。
あっ男性キャラが攻略キャラですが、恋愛要素はないです。ラウロ(島の少年。お姉ちゃん(コレット)がチェスターに一目ぼれして、最初は警戒された)、イグニス(森の外れに住む無口な褐色男性。人形師。心を開くと生来の毒舌キャラが目覚める)、エンヴィリオ(イグニスが作った人間みたいに見える人形。無性別。性格は完全に人外。作中ではほとんどの怖い。敵キャラ。なつくとかわいい)この3人は友情です。

というか、出てくるキャラのほとんど男女区別なくたらしこんだチェスターのモテスキルぱない。
でも、全部プレイすると、生来のチェスターの性質と、島の人たちが奪われ続けてきたものがピッタリかみ合って、みんながチェスターに心動かされるのに納得できちゃうんだよなー。

主人公のチェスターは必ず病で死んでしまいます。これは「英雄のいない物語」という冒頭文でもうわかっていること。
でも、チェスターの物語は、英雄に至るための物語ではある。
英雄はいない。でも、未来にいないとは言っていない。

ラウロ&コレットがチェスターから未来をもらって、イグニス&グレタは止まっていた時を動かしてもらい。エンヴィリオは「自分」を得た。主人公が死んでしまうので、ハッピーではないとは思いますが、プレイしてて心が満たされる物語だと思います。

ボリュームもあまり長すぎず短すぎずで手軽に1日とか2日ぐらいでプレイできると思います。人によってはもう少しボリュームほしい人がいるかもしれませんが。

EDは、一人7EDですが、イグニスルートの一つはグレタED(一見ロリ……な姐さん性格の女の子)だし、ラウロルート2つ(+姉弟ED1つ、いや2つ)。イグニスルート2つ。エンヴィリオルート1つは完全にコレットEDです。ありがとうございます。

コレット目当てな人は、実質彼女のEDなのが山ほどあるので喜んでいい。
ただし、いろいろ理由があって、かわいい純朴乙女なコレットちゃんだけが好きな人はトラウマになるEDが山ほどなので、難しい。私は、こういうのめっちゃ好きでテンション上がったのですが、コレットちゃん地雷な人もいそうなので注意。
コレットちゃんは本来いい子なんだ。エニグマが悪いんだ。うん。
いやー18禁エロゲヒロインのEDみてる気分になったよコレットちゃん。

男性キャラだと、主人公・チェスターとイグニスが好きですね。
チェスターさんの性質悪いモテ男っぷり好きです。死ぬから子供とか作れないとか言ってたけど、チェスターの子供だけでも欲しい女山ほどいるだろう。作中で2人いるの私、知ってる。あの美形と性格の遺伝子を残さないとかもったいないにもほどがある。

いやー一個ネタバレしちゃうけど、美人巨乳未亡人・キオナさんから「チェスターちゃんあなたのせいで夜の散歩ができなくなったわ。どんなに月がきれいでも星が輝いていてももう寂しさが埋められないもの」っていうチェスター亡きあとのシーンがあるんです。
この前に「夜空の星がチェスターの髪の色」って別キャラが言うシーンがあったんですよ。星空見るたびにチェスターを思い出して寂しい思いをするって言ってるんだよこれ。なんて罪な男だ。
いや。たまんないよね。あんなお姉さんの忘れられない男性になれるなんて、私が男だったら男性として悔いのない人生だったと思う。

イグニスは、ルートやるとチェスターの方がむしろ大人な似た闇を抱えた者同士って感じが面白かった。イグニスさんチェスターへの好感度が高くなると大人げなくなるからな。
言動の端々に「チェスターのこと一番理解してるのは僕だから(ドヤッ)」アピールしてくるの本当に面白い。
あと、仲悪いイグニス&グレタコンビ好きです。実質グレタEDで大人げなくグレタからチェスター奪っていったイグニスさんの大人げなさよ。

そんなわけで、あらすじとか見て好きそうなら是非。面白いのでやってほしいですね。

以下、ネタバレでED感想。

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