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コードギアスR2SS「わたしからあなたへ」(ロロナナ)

※2008年6月ごろに書いたやつ。思いっきりパラレルで兄妹弟の関係が良好。平和にロロナナ初対面。



ようやく、いや、むしろとうとうこの時がきたと表現すべきか。

僕の断罪の刻。
たくさんの人を殺しても、何の感情も生まれなかったこの僕が、初めて罪悪感を抱く事となった人物に、




僕は、会うんだ。




そこには着飾った高貴な衣をまとう少女が一人、車椅子に腰掛けていた。



庭園の花をそっと愛でている彼女は、妖精のように可愛らしい。
兄さんが自分の全てのように愛した、本物の妹を見て、ちくりと胸が痛んだ。



彼女の目の前に立つ。



何を喋ろう。


ごめんなさいごめんなさい。君が受け取るはずだった、あの惜しみない愛情を一年間も僕は奪った挙句に、離れ離れにしてしまって、ごめんなさいごめんなさい。
君たち兄妹の中に入りたいとか思ったり、家族になりたかったとか思ったり、今も本当の兄弟でもないくせに『兄さん』と呼んでいてごめんなさい。ごめんなさい。


言葉がいっぱい溢れてきて、頭の中が混乱する。
この中のどの台詞を最初に差し出せば良いのだろう。



『ごめんなさい』



そ、そうだ。まずは謝るんだ。


「ごめんなさい」


……えっ!?


何の非もないはずの少女の口から、僕より先にどうして謝罪の言葉が出るんだ!


「きっとこの一年と少しの間、私に悪いと考えて過ごしていたんじゃありませんか?」


――兄さんを見るたびに、彼女の陰を見ない日はなかった。


「きっとずっと苦しませてしまいましたよね」


――でも、唯一の肉親である兄さんが行方不明と伝えられ、彼女は一年以上を不安と恐怖に苛まれていたに違いない。


「だから会って伝えたかったんです」


――こんな僕なんかに、どんな言葉を与えてくれるの?


「私の代わりに、お兄様の側にいてくれてありがとうございます」


――『ありがとう』なんて言われたのは、兄さん以外では始めての人だよ。


僕は何を言っていいのやら混乱して、

口を開こうとしてはまた閉じ、

そうしてようやく黙って、

ポケットから取り出したロケットを両手で捧げ持って彼女に差し出した。


一年もの時間は返してあげられないけど、せめてこれだけは返してあげたかった。

「これは、に、兄さんが本当なら、君にあげるはずだった、た、誕生日プレゼント!」

焦りにかられて、どもりながらも何とか伝えられた。


これを貰ったときは、

生まれて初めて誕生日を祝われたときは、


僕が生まれてきて『よかった』と。
僕という人間が今ここに存在していることを、許されたような気がした。


だからこのロケットは僕にとって救いであり、唯一の証だったんだ。
生きていていいよ、と言ってくれる。


でも本来なら、これは彼女のもの。
いつまでもこれにすがり付いていてはいけない。





しばらくして、





彼女は僕の手の上に、その手を添えてきた。
ほっとしたのもつかの間、彼女はあろうことかそのまま僕の両手を、自身の両手で包んできた。


「これはあなたのものです。確かにお兄様が私にあげたいと思ったから買ったものかもしれません。でも実際に貰ったのはあなたなんですから」

「でも、君に会ってしまった僕は、もう持っていられないよ……」

「でしたら」

ふふっと、笑って彼女は、

「改めて、私とお兄様からのあなたへの誕生日プレゼントということではダメですか?」


ナナリーは酷いよ。
兄さんとそっくりで、僕が欲しいものをこんなにいっぱいくれる。


ねぇ。だったらだったら僕は、君に何をあげればいいんだろう?



だったら、



だったら、





「僕が君を一生守るよ」








意識せず口にして、それはとてもすばらしい名案のように思えた。

だって総督と言う立場も皇族という立場も非常に危険を伴うのだ。

暗殺を手がけていた僕なら、護衛とはまたちょっと違うが、それでも彼女を外敵から守る力を身につけている。ギアス能力だってある。

めったな相手じゃ僕が任務に失敗してナナリーに傷を負わすような事はないだろう。

そうだ。ナナリーを守ってあげよう。奪った一年とは言わず、一生分!


すると、彼女はぱっと包んでいた両手を離し、何故か頬をほんのり朱に染めて、戸惑ったようにその小さな口を開いた。



「あの。いっ、一生なんでしょうか?」

「もちろんだよ、一生、僕が君をどんなものからも守るから!これは償いとかじゃなくて、僕がそうしたいんだ!!」


そう畳み掛けると、ますます赤くなる。熟れた林檎のようだ。
どうして彼女にそんな現象が起こるのか、ますますもって判らない。病気じゃないと良いけど。


「えっと、その、ごめんなさい。なんだか、一生と言うと、プロポーズみたいだなぁ、などと思ってしまって。あ、そんなつもりがないのは判っているのですが……」

聞き終わる頃には、僕の頬もかぁと赤くなるのを感じた。

ぼ、僕はなんて事を言ってしまったんだろう!
もっとましな言い方があっただろうに、どうして僕は、僕は!

そう考えると「守る」という提案自体も、何だか子供っぽい稚気に満ちた戯言のように思えてきた。
僕は政治絡みの事は判らないし、皇女であるナナリーにはちゃんとした騎士が付くのが定石だろう。
そうだそうだ。僕なんかが守らなくたっていいんだ!

なんて恥ずかしい事を口にしてしまったんだ。

僕は、早急にあのセリフを撤回しようとした。

だけどやっぱりナナリーは僕の先を制してしまう。



「分かりました。これからよろしくお願いしますね、ロロ……おにいさま?」



と首をかしげ、今だ冷めない頬を朱色に染めたまま、僕に向かって再びその手を差し出してきたのだ。


僕はまた、わぁーっ!と叫んで逃げ出したいような思いに駆られながら、(まさかまさかこんな馬鹿な台詞に同意を返すなんて!)



慌ててその小さな手をぎゅうっとぎゅうっと握ってしまった。
だってもう、離したくはなかったから。





昔の話だ。あの時の兄さんはきっと、僕の幸せな未来のことなんてどうでも良かったのだろう。
でも今僕はこうやって、僕を愛してくれている兄さんと、僕が守りたいと思ったもう一人の僕(ナナリー)と、


そんな、かつては思ってもみなかったような幸せな未来を手に入れてしまった。


家族の愛情なんて、注がれる事も返したいと思う事も絶対にないと思ってたのに、
女の子に対する好意なんて、絶対に抱いたりなんて僕が出来る訳がないと思ってたのに……。


え?あれ、女の子に対する好意って……。


えーっと、えーっと、そのぉ。あのぉ。


あっ!


僕と、その、……ナナリーが、もし、いや、もしもだけど、け、け、け、結婚とかしたりなんかしたら(別に本気で思ってるわけじゃなくて、ちょっと思いついただけだけど)、三人は本物の家族になれるよね。

なーんて。そんな事を言ってみたりしたら、兄さんは怒るだろうか、それとも喜んでくれるのかな?

「反転おまけ」

「ねぇ。ナナリー、お兄様は止めてよ。ロロでいいから。……それに兄さんに恨まれたくないし
「そうですか?」


―完― 
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