とある魔術の禁書目録SS「充電/裏表」(通行止め+番外通行)

※通行止め(一方×打ち止め)は親子(家族)、番外通行(一方×番外個体)は恋愛っぽい意識で書いています。
ちなみに「充電」(通行止め)と「裏表」(番外通行)の二本立てSSです。




「充電」通行止め

「何をしているの? とミサカはミサカは小首を傾げてみる」

 ソファにの転がって、首のチョーカーをいじっている一方通行に、打ち止めは問いかけた。

「充電してンだよ」

 見りゃ分かンだろう、と言わんばかりの攻撃的な態度は、もはや日常と化して少女は受け流す。
そうして小さな女の子は、彼の横たわるソファに向かって、がばりと両手を広げて飛びつくように横たわった。

「ぐっ。おい、お前は、何してンだァ?」

「ミサカも充電! とあなたのお腹にしがみついてミサカはミサカは離さなかったり」

 くぐもった声が腹部から振動を伴って響いてきた。打ち止めは、彼のお腹に顔を埋めて、離すもんか! と力を込めて抱きついている。
一方通行は小さく舌打ちして、引っぺがそうとしたが面倒になってやめた。
今は“充電中”なのだ。エネルギーは溜める時であり、使う時ではない。
だから仕方なく、

「こっちの充電が終わったら、放りだすからな」

 と吐き捨てた。

 そうしていつしか二人分の寝息が聞こえてきて、家主が毛布をかけてくれたりなんてエピソードもあるのだが今回は割愛しよう。
最後に言うとすれば、誰が誰で充電しているのか分かったものじゃないというお話である。


「裏表」番外通行

「おいこら離れろ」

「いやーん! ミサカはあなたと離れたら寂しくて死んじゃうかも☆」

 ごろごろと犬猫のように、一方通行に纏わりつくのは、歪んだ笑みでセリフとは裏腹な悪意を垂れ流す少女である。
第三次世界大戦が終わり、黄泉川家で一方通行たちと一緒にごやっかいになっている彼女はその製造目的上、一方通行に嫌がらせをすることを日々欠かさない人物であったが、それにしても近頃はおかしかった。

 やたら引っ付いてくる。

 今も一方通行の背中にへばり付いて、番外個体は実に下らない戯言を呟いていた。
これがただの嫌がらせの一環とは、一方通行にはどうも思えなかった。

「ウゼェ、あっち行ってろ」

「そんな嬉しいこと言って貰えると、ミサカ余計にこうしていたくなっちゃうな!」

 むぎゅっと背中に何やら柔らかい膨らみが触れているが、一緒に彼女のムカツク顔も浮かび上がって来た。
結果、そんな事実は超絶軽く無視した。
代わりに彼は今まで引っかかっていたある疑問を投げかけてみる。

「楽しそうだったじゃねェか」

「? ミサカは第一位の吐き出す毒気ある言葉を聞いているのは楽しいよ~」

「さっきまで、あいつらとゲームしたりTV見たりよォ。楽しそうだったじゃねェか」

「……ン」

「何でお前は毎度毎度、あいつらと馬鹿みたいにハシャイだ後に、俺のところに来るンだ?」

 おかしいと言うのはそこである。一方通行から見ても、番外個体は家の中の女性陣ともそれなりに打ち解けて見えた。
口と性格が悪いのは治っていないが、人のことを言えない自分でも彼女たちは受け入れてくれたのだから問題はないだろう。
ということは、アノの行為はそれとは関係のない部分で発生したことになる。

 一方通行は背中を向けていたから、そう指摘された彼女がどんな顔をしていたかは分からない。
ただ首筋に当たった吐息が、彼女がふざけた言葉で茶化そうとして、何故か止めてしまった残滓を伝えていた。

「分かんないよ」

「ミサカってばこんな環境はスペック対象外過ぎて困る。……あんたは決められた枠とか平和な空気に慣れっこないと考えてる奴に反抗するんだ、と考えれば良いって言ったよね。律儀にやってみたよ? それなりに新鮮で、それなりに楽しくて、それなりに苦痛で、それなりに窮屈に生活してみたよ。だけど――」

『息が詰まる』

 がーっと盛り上がって、わーってはしゃいで平和の中で笑っていても、自分の中のどこかが違和感を訴えた。
ここは自分が生きるフィールドじゃないと叫んでいる。そうして声を上げる奴が体を乗っ取ったら、口先だけで留めている悪意の放流を現実にしてしまいそうになる。
番外個体はそれが怖いのだ。

――いいじゃん別にミサカはそうやって生まれたんだし~。――ハァ~? だーれが思い通りに動いてやるもんか。

 裏表の感情がエンドレス。

 そうして疲れた番外個体は、安らぎの場所に向かったのだ。
決して、壊すか壊さずにいるべきか悩まずに済む『平和な日常』とは外れた存在へ。
自分が悪意を垂れ流しても壊れきらずにいたあの人。
番外個体と同じ異物である者。

 番外個体が一方通行に纏わりついていた理由はそれである。
さながら、慣れない場所で落ち着かない猫が、自分の匂いのする毛布には安心して居られる原理だとでも説明するべきか。

 番外個体はぐりぐりと頭で一方通行の背中をえぐっていた。たぶん、うっかり弱音を吐いたのが恥ずかしかったのだろう。

「つまりミサカはあなたに嫌がらせするのが、遊ぶより食事するより眠るより、えっちぃことするより大好き(はぁと)って話よん」

 番外個体はぎゅっと相手の首筋に抱きつきながら、いつもの馬鹿にした口調に戻って、いつものふざけた戯言を垂れ流す。
ここにいる人物は皮肉なことに彼女にとって一番安心して、難しい諸々を考えることなく接することが出来る相手なのだ。

――あれ、もしかしてミサカってばこいつに甘えてる? 

 なんて頭の隅で思ってしまった。そんな事実は超絶軽く無視した。
一方通行の方は、いつものごとく彼女の言動はスルーかと思いきや、ため息を吐いて口を開いた。

「じゃあ俺が嫌じゃなかったら引っ付くの止めンのかァ」

「えっ」

 これほど正面向いてなかったことを悔やんだことはない。
番外個体は考えた。今のは、ただの事実確認だったのか、常日頃の腹いせに言った冗談なのか、あるいは本気で嫌じゃないのか。

「えっえーっ」

 考えるとぐるぐるしてしまった。でも寒いときに毛布を手放す人間がいる訳がない。
ということで、

「や、止めないぃ」

 なんかちょっぴり悲哀が混じったセリフになった。軽く羞恥プレイだ。まるで番外個体が好きでくっつきたいみたいな状況になっている。

 悔しくなって余計に密着して打ち止めに騒がれることになるのだが、今回は割愛しよう。
一方通行が本当に引っ付いている状況が嫌じゃなかったのかは、神のみぞ知るお話である。

―完―

軽く書いてみた。コンセプトは『だらだらいちゃいちゃ』だったはず。
スポンサーサイト

theme : 二次創作:小説
genre : 小説・文学

Secret

プロフィール

hawa

Author:hawa
二次元小説は男女(女男)CPかnotCPの健全ものです。
無断転載禁止。版権元、原作者とは一切関係がありません。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

QRコード

QRコード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

RSSフィード

ブログ内検索